コーカサス

キラー・シャーク 殺人鮫のコーカサスのレビュー・感想・評価

キラー・シャーク 殺人鮫(2005年製作の映画)
2.0
陸(おか)に上がった鮫の威力とは。

大手製薬会社の社長フィダーは、南太平洋の孤島で研究を続けるキング博士 (コムズ)の実験に興味を持ち、アメリア(タイロ)やトム(フォーサイス)たちと島へ向かうも、そこにはガン治療のために鮫の細胞を移植され、凶暴化したキング博士の息子・ポールが“シャークマン”となって待ち構えていた。
マッド・サイエンティストが神に背き作り上げたシャークマンは水陸両棲動物と化し、海や川だけでなく陸からも容赦なく襲い来る。

スティーヴン・セガール主演の『沈黙の標的』を手掛けたマイケル・オブロウィッツ監督が放つパニック映画は、“海に現れた鮫が人間を襲う”サメ映画の概念を見事に裏切る超変化球攻めの“サメ男” 映画だった。

しかし、その超変化球が変化し過ぎてしまった結果、むしろ雑となりけり。
登場人物全員の立ち位置やキャラクターなど、皆が行き場を失い、シャークマンの存在は曖昧に、キング博士の主張は支離滅裂で、トムの正義は“セガール”ほどにもならずして、いっそのこと彼を主役にサメ退治を繰り広げる直球勝負の展開の方が良かったのでは…と思えてならない。

ともあれ“陸に上がった河童”は力を失うが、こちらの鮫は力を増すようだ。

237 2020