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ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘いのcamusonのレビュー・感想・評価

4.5
2013年から始まったウクライナのマイダン革命を扱ったドキュメンタリ。
SNSによる呼びかけから始まった平和的な市民デモが、
数か月のうちに市民の死者が100名を超える弾圧に発展していく様子が、
当時の豊富な生の映像により描出されています。

よくもこんな貴重な映像が残っていたものだなという気持ちと、
そんな映像を撮られている状態で堂々とデモ参加者を殺害するという、
理解を超えた価値観に衝撃を受けました。


デモの会場は、首都キーウの市街地にあるマイダン公園。
周辺の高いビルからその様子は見降ろせるし、撮影し放題のようです。
(俯瞰映像が多いのはおそらく周辺建物から撮影していると思われます。)
市民の目、メディアの目に晒される都市の中のオープンエリアです。

そのような条件下にもかかわらず、
当時のヤヌコーヴィチ政権(親ロシア)は、警察(ベルクト)を大量動員し、
暴力による恐怖によって、デモを鎮圧化しようとします。


デモ発生1日目から時系列で順を追って、
現地映像と、デモ参加者への事後インタビュー映像とを
交互に見せる構成により、
エスカレートする政府による暴力の生々しさと、
市民による自由を希求する強い思いとが伝わってきます。


なお、市民側が政府の暴力に屈しなかったことで、
ヤヌコーヴィチはロシアに亡命し、
ヤヌコーヴィチを受け入れたプーチンは、
すぐさまクリミアを併合することになります。
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