垂直落下式サミング

ボクのスーパーチームの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ボクのスーパーチーム(2015年製作の映画)
4.0
スーパーチームはインドの神様。
ヒーロー番組に夢中の子供が、父に命じられて嫌々ヒンドゥー教の神に祈りはじめるのだが、退屈して仏壇の灯明を吹き消してしまったために、魔物の怒りをかってしまうというおはなし。
やっぱり、ああいうのは口で吹き消してはいけないんだろうな。私も、実家にいたときは、朝と夕方に仏壇を参る習慣があったので、何となくいけない作法なのはわかる。
本作では、強大な魔物もまた神仏と同等の存在なのだとして描かれており、子供が神々の力を借りてその怒りを鎮めることで、鬼面の様相が解きほぐれれば崇拝の念すら抱かせる神々しさを取り戻す。
監督がインド系の方だということなので、人の世に仇なす怪奇的なものを「悪魔」としてではなく「荒神」ととらえる非西洋のアニミズム的思想を、よく理解し作品に織り込んでいるように思う。
なにより、取っ掛かりは何でもいいから漫画やアニメだけじゃなく子供は色んなものを好きになりなさいと、本心は自分の作ったものだけを見てほしいはずのアニメーターが伝えているからこそグッとくる。