メイプルわっふるG

スノーマン 雪闇の殺人鬼のメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

スノーマン 雪闇の殺人鬼(2017年製作の映画)
3.4
犯行現場に残される雪だるま。相次ぐ失踪者たちの共通点は、女性、婦人科、家庭不和。
そんな中、敏腕刑事(アル中)に"雪だるま"さんから手紙が届く。

ノルウェー作家ジョー・ネスボ『ハリー・ホーレ刑事』シリーズの第7作「スノーマン」の映画化。
敏腕刑事に思えないのは、語感が「はらほろひれはれ」と似ているからか。

刑事ものであって、オカルトな殺人鬼が活躍する映画ではない。
新たなホラーキャラクターの誕生とはならずちょっとだけ残念なものの、猟奇的な描写にリアリティが出るのは大歓迎。

犯人の行為や作品(死体)は、なかなかに良い出来。
注射、ワイヤー、インシュロック。バラバラ、ショットガン、指紋認証。
加えて赤ちゃん人形や群がる鳥たち。
個性は"雪だるま"だけじゃないと魅せつつも、やはり"雪だるま"になぞらえた人体部位の使用。シリアルキラーのこだわりは大事。

そして北欧の景色が美しい。日本では見られない景観で幻想的。
湿地帯のわずかな陸地をつなぐ道路と橋。湖面に道が浮いているかのようだ。
『ウーマン・イン・ブラック2』でもあったけれど、なんか現実に思えない不思議な情景。
ちなみに今作はノルウェー。『WIB2』はイギリス北東部。

カトリーネ「雪が犯人を駆り立てるのよ」(ドヤァ
ハリー警部「冬なんだから雪は珍しくない」バッサリ
ノルウェーで11月は「冬」で雪が降ることは当り前らしい。
11月しばらく20℃越えだった日本の冬はいつからだろう。

派手なオブジェ(死体)をはさみつつも全体的にまったり。鑑賞時の気分次第で面白さが変わりそうな演出。
今作の前にロジャー・コーマン製作作品を見たせいか、真面目ストーリーに気が引き締まり、おかげで味わい深く見れたのは結果オーライ。

とはいえ、今はホラーコンテンツを求める飢餓感ひしひし。これもまた反動か。