KotaroKinoshita

鬼談百景のKotaroKinoshitaのレビュー・感想・評価

鬼談百景(2015年製作の映画)
4.1
※20.5.17
再見。一部修正。

※16.2.2
10話中、半分満足、半分不満。一点、「続きをしよう」がずば抜けてたのでこの点数。


・中村義洋「追い越し」☆☆
一ネタ勝負にしてはショボい。監督が大好きな(?)トンネルが出てくるけど、活用されず。

・安里麻里「影男」☆☆
影男は表象できない。表象できないものはコワくならない。根岸季衣の顔はいつでもコワい。

・内藤瑛亮「どろぼう」☆☆☆
ついこの前まで孕んでいたはずの女が突如普通の体に戻っている。この謎解きに際してあらゆる可能性を"孕む"、小橋めぐみの表情芝居は完璧だ。ヒロイン(最近色々と出ている萩原みのり)もよかった。

・大畑創「一緒に見ていた」☆☆☆
首吊り死体を下ろすくだりと、霊に女子がぶつかるくだりに、監督の"やったる!感"を感じた。

・岩澤宏樹「空きチャンネル」☆
なんか突如学生映画ぽくなって驚いた。

・安里麻里「尾けてくる」☆☆☆
ナイロンの眼鏡太郎はがっちりハマっていたが、肝心のラストカットが分かりづらい。VODで見たので、スクリーンサイズならよかったのかもしれないが・・・
→20.5.17 プロジェクター投影で100インチくらいで見たら見えた!ので☆一つ加算。

・内藤瑛亮「続きをしよう」☆☆☆☆☆
驚愕した。"子供の怪我"というありふれた現象も、連打すると一気にタブーに近付くという発見。前触れなく設定された残忍なルールがいつの間にか空間を支配していたという恐怖。ホラー表現は、ここにきて確実に新たなステージに到達した。
内藤監督はやはりショートショートで本領発揮する人なのだなぁ。

・岩澤宏樹「どこの子」☆☆
特に設定のない霊的存在でどこまで引っ張れるかという勝負。この監督には荷が重かったか。花子さんを照らすまだらな光は美しかった。関西弁は謎。

・白石晃士「密閉」☆☆☆
白石晃士の今や貴重な"非POV"作品だが、ここまで落ち着いた演出は初めてなんじゃないだろうか笑
キャラクターの在り方に作家性が覗いていた気もする。

・大畑創「赤い女」☆☆☆☆
こんなタイトルを背負ったからには、<Jホラー>(死語)を総括せねばならぬ、という覚悟。冒頭から赤い女を登場させ、クライマックスではこれでもかと動かす。10本の中でシンプルに一番コワかった作品。


演出0.8
人間0.8
驚き0.9
社会0.7
趣味0.9


演出=総合的な演出
人間=俳優および被写体の魅力
驚き=斬新さ、意外さ
社会=社会との距離感、倫理観
趣味=個人的な好き嫌いの印象