男の裏切り行為により人生を破綻させられた貧困層の姉妹(ひし美ゆり子&橘麻紀)が、人間の性衝動を生きる糧にしながら、それぞれの道を歩んでいく。異なる性格をもつ両姉妹の観点から性的欲動の在り方を説いている、エロティック時代劇。
ピラニア軍団主体の企画に、突如としてヌード女優となったひし美ゆり子をねじ込んでいる作品。ひし美の健やかな肢体に目を奪われるが、ピラニア軍団の橘麻紀もまた、それに比肩するほどの肉体美と存在感を発揮している。
姉(ひし美ゆり子)は、打算的な思考能力と男を蕩かす魔性を駆使しながら、むやみやたらに玉の輿を狙っていく。一方、妹(橘麻紀)は、夫殺しの罪を償うべく、比丘尼として「千人斬りの行」に挑んでいく。
姉妹のあいだを取り持つ、童貞の小坊主が重要人物になっており、両者に禅問答(性問答)させる演出が、絶大な効果を上げている。「この世は下半身でまわっている」を示唆させつつ、「人間の業なんてこんなものだよね」という、気づきを与えてくれる逸品。