正に、これぞジャッロ映画の古典!という様な作品。
外連味あふれる映像美と華麗なエンニオ・モリコーネの音楽、クラシカルな調度品と70年代初頭のお洒落なでモダンなファッションやインテリアの中で・・・黒いコートと帽子に身をまとった殺人鬼が、はめた生ゴムの手袋のせいでまるで傀儡に見える手に持った巨大な針で、次々と美女達の延髄を刺し貫く!
警察はポンコツで(主人公の刑事も隙だらけ)、プロットはゆるゆるでミステリー的カタルシスは無いが、それも含めてジャッロ映画という感じ。
とにかく当時の美人女優たちが目白押しで、クローディーヌ・オージェにバーバラ・バッシュというボンド・ガールが2人も出ているし、『カジノ・ロワイヤル(1967)』のバーバラ・ブーシュは冒頭でネットリとその肢体をカメラに晒してくれる。主人公の妻役のステファニア・サンドレッリも、とってもキュート。
主人公を演じるジャンカルロ・ジャンニーニは、そうか『007』で伊達男のスパイ・マティスを演じた人か・・・。
タイトルから犯人がタランチュラなのかな・・・と思ったが、そうか(犯人の勝手な視点から見ると)被害者の女達がタランチュラなのだね。