素潜り旬

天使の影の素潜り旬のレビュー・感想・評価

天使の影(1976年製作の映画)
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画が止まる時、急に引き込まれる感覚、吸い込まれる目の錯覚、眩暈、気をうしなう、動かない、動き姿勢を整える私たち、それは椅子に座り直すこと、やり直すことなく、幸運に恵まれること、それは結果的には継続によって、なのだが、機会は一度きりだった。その場所にいること、その場所から連れ去られること、元の場所に戻ると、元いた人がいること、彼女らが繰り返し立ち現れること、成功を手放したくなること、成功ではなかったから、お金がないと生きる気力がわき、お金があると死にたくなる女。ついていけない男、連れて来られた男。何度も終幕を迎えるがこの男が来てようやく終わる。場所 から/に、連れ 去られる/て来られる、退場、止まる。登場、止まる。思考は流れたまま、常に誰かが台詞を喋っている、もしくは歌っている、止まらないから画が止まる。その時、座り直す、姿勢を整える、むずむず、無を迎えいれる。画は訴えたまま、無ではない。無は速度だ。動いていてもいなくても情報量は変わらない。芸術は速度、受け入れる速度、考える速度、それが一度止まる、座り直す、座り直す速度のことは誰も話さない、この場所では誰もが話しているのに、そして連れ去られる、連れて来られる、退場、登場の終幕。
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