翔海

ロープ/戦場の生命線の翔海のレビュー・感想・評価

ロープ/戦場の生命線(2015年製作の映画)
3.6
"I need a rope"

1995年、ユーゴスラビア紛争停戦直後のバルカン半島のどこか。
国境なき水と衛生管理団として働くマンブルゥ達はバルカン半島の紛争から住む地域の水を失った人々を為に派遣された。しかし、困ったことに村の井戸には死体が投げ込まれており、とても使える状態には無い。そこでマンブルゥらは、ロープを使い死体を引き上げようと試みるもロープはちぎれてしまい作戦は失敗する。
ロープ無くしては、この死体を運び出すことは不可能。紛争で変わり果てた村から調達をしようにもなかなかロープは見つからない。それに加えて国際連合軍に許可なくしては、死体を引き上げることもできない。それに加えて紛争直後の村人たちの協力も得られずに、作業は一向に進まない。ロープ一つで村の水不足を変えられるのに、紛争直後で村はそれどころではなかった。

ロープがあれば、、、
紛争地域に派遣されたマンブルゥたちは、村の人々を助けることが仕事なのにそれが出来ないもどかしさ。国際連合も村人たちも、紛争直後で危険な道も全てが彼らの仕事を阻む。好転してほしいと願って観ているだけで、私たちにはなにもできない。
ウクライナは今でも戦争が起きていて、この作品よりも厳しい状況が続いていると思うと怒りすらも覚える。ロシアの身勝手な戦争によって住む家を失い、今日を生きることを確証されない人々の不安は想像以上であると思う。争いのない世界をつくるためにも過去の過ちを繰り返さないで欲しいと強く願う。

2月から整形外科を辞めてフリーランスを始めたけれど、フリーランスの世界もそう甘くはなかった。整形外科のときよりは時間はできると思っていたけれど、フリーランスも自分でしなくてはいけないことも多く、時間があるようでない日々を過ごしている。厳しいことも言われるし、悩む時間も増えた。そんな中でも成長できる瞬間は多く、あえて厳しい環境に進んだ甲斐はあったと思う。まだ、安定には程遠いけれど自分の理想を実現するための準備期間だと自分に言い聞かせて今日も働く。
翔海

翔海