ネイバーズの監督の新作！！ということで、かなり濃厚なコメディを期待して観に行ったのだけれど、どうも微妙と言うか何と言うか、そもそも自分はそんなにネイバーズが好きじゃなかったことを思い出した。
ギャグの量とスピードがとにかく尋常じゃない変態映画なんだけど、その割には比較的全うな映画演出を始終しているのがじわじわ面白い。脱線しそうで絶対に脱線しない感じ。何なら実写映画みたいにカメラもちゃんと揺れるし、動き回る被写体を必死に追いかけるカメラマンの努力さえも感じられる。アニメなのに！
コウノトリの寓話に対して現実世界での（ある程度成長した人間なら誰もが知る）常識が対立して、果たしてどういう物語の落とし方をするのかな、とワクワクしながら観ていたら、どうも気持ちの悪い終わり方をする。もっと現実に喰いこんでくる暴力的なファンタジーが観たかったのに！！
と思っていると、どうやらこの映画の本質は（同じく鑑賞済みの友人曰く）そこにはないらしくて、何というかこれを言うとネタバレになるので！！テーマに関しては本当に誰かと深く話したくなる映画だと思った。なぜ今、この現代において「コウノトリの物語」を描いたのか。自分の産んだ子供は絶対に自分の子供だぜ！！と声高に宣言する「アングリーバード」と比較して観るのもたぶん死ぬほど面白い。
あとこれは個人的に気になっていたのが、音楽を担当している人が500日のサマーと同じ人。そして観てみると見事に500日のサマー！！何なら全く同じメロディ（メインではないけど）だって流れる。あのヒリヒリした悲壮感と恋心のときめきの詰まった旋律！！正直、この映画の世界観に合っているとは全く思わなかったけど、聴けて良かったなあと心から思える音楽だった。
