スギノイチ

侠骨一代のスギノイチのレビュー・感想・評価

侠骨一代(1967年製作の映画)
3.5
高倉健版『兵隊やくざ』な冒頭。
そこでの大木実との友情エピソードから「ははん、内地に帰って兄弟分として登場するのだな」
さらに、死んだ母親役を藤純子が演じてたので「ははん、後で瓜二つのヒロインが出てくるんだな」
と、任侠映画を見慣れた人なら容易に予想できることが尽く的中していくのでベタはベタだが、兵隊・浮浪者・労働者・侠客と変遷していく高倉健が丁寧に描かれ、さすがのマキノイズム。

本作、いつも以上に各キャストが魅力的に機能していた。
マザコン気味の高倉健を包む藤純子は、恋人というより母親のようだ。
流浪時代に仲良くなった遠藤太津朗ら浮浪者たちが、後半で再登場する展開も熱い。
「命がけの恥ずかしさ」とは良い台詞だ。
ワンピ作者がマキノ信者なのがよく分かる作品。
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