れれれざうるす

シング・ストリート 未来へのうたのれれれざうるすのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「僕のバンドのビデオに出演しない?」
校門の外で毎日居る名も知らぬ年上女性に思わず口走る台詞。そこからMV撮影日までにバンドメンバーを集め、作詞作曲をし、音源を録る。

恋の威力は凄い。
彼は恋に落ちてなければあんな歌詞は書けないし、バンドも組んでいないし、ずっとイジめられていたかもしれない。
音楽で人生が変わる人は数知れぬほどいる。でも個人的な感想としては、主人公コナーは恋をしたことで人生が変わった様に思えた。
恋は最大の原動力になる。

集まったメンバーがみんな絶妙にダサくて学校内では浮いた存在だったりするのに、楽器の腕が良いのが胸熱。学生時代ってなんで周りと違うものを極めたり追求する人は集団から排除されてしまうんだろう。(大人になっても変わらんが)

映画を観てると一瞬で恋に落ちたような、心を奪われた感覚になることがある。
それが『THE RIDDLE OF THE MODEL』のシーン。

全てが上手くいってない直後の
『Drive It Like You Stole It』のシーンもとても好き。
もしもここに彼女がいてくれるだけで、世界はこんなにも素晴らしい。
そんな感情が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の様なライブシーンで表現されるなんて鳥肌でしかない。最高すぎる。
でも現実はそこに誰も来ていないというのもコナーの気持ちになると悲しくなって泣いてしまう。

兄弟や姉妹がいるとわかると思うけど、若い頃は兄や姉の趣味や生き方の影響を少なからず受けているはず。趣味が同じ場合もある。弟や妹は兄姉から形成されているようなもの。でもその先どこに向かうかは本人次第。
コナーの兄にはとにかく幸せになってほしい…。

本作で最もイイ!と思ったのはラスト。
観客が置いてけぼりをくらうほど突発的な駆け落ち。心境の変化を描かないのと船に乗った2人がどうなったのか、生きてるのかさえわからない様は「ポンヌフの恋人」を彷彿とさせる。
人生は何が起きるかわからない。わからないから人生は面白い。
たとえ暴雨や荒波に揉まれながらでも、2人の間に誰も入り込むことの出来ないとんでもない愛が芽生えたのならかなりロマンチック。


2回目鑑賞 8/3
3回目鑑賞 8/17
4回目鑑賞 10/6(特別音響上映)