映画おじいさん

シング・ストリート 未来へのうたの映画おじいさんのレビュー・感想・評価

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前作『はじまりのうた』よりかはマシだけど、本作も主人公(の男女)にしかスポットが当たらない物語で反吐が出そうになった。この監督は脇役には興味ないのかな? ティーン向け映画とはいえ、文字通り脇があま過ぎで、面白いとかつまらないとか以前。

黒人メンバーは人種お笑いパートとして出てきただけで、音楽面については全く触れられず。それはいいとしても、ビデオ撮影で白塗りをしていた(させられた?)ことに全く触れられなかったのはあんまりだ。

父親がカバーバンドやっていて機材提供をしてくれたメガネうさぎ君、ヴィレッジ・ピープルがゲイミュージックと知らなかったカウボーイ君、どういう経緯で仲良くなったのかイマイチ分からないイジメっ子野郎、全く活躍しなくてよく分からない主人公の妹、、、他の脇役も主人公をひき立てるためにしか存在していないような、そんな扱いにイライラ。
主人公の兄はジャック・ブラックとかがやりそうないかにも今っぽい陳腐キャラ。そこにもイライラ。と言うのは意地悪すぎかな。

バンドはヴォーカルだけで成り立つもんじゃないのに、メンバーのことなんて忘れてデモテープを持って女とイギリスに逃避行なんて、ガキとはいえアタマ大丈夫なのか、と言いたくもなる。

そもそも高校生バンドがデュラン・デュランを真似たからって、いきなりあんな曲をかけるわけがない。音楽ナメ過ぎ。
例えばサッカーのルールを覚えたばっかりの子供がいきなりワールドカップに出るような映画なんてバカバカしくて観る気になれないでしょう。本作では音楽で同じようなことをやっている。宣伝でのボノの言葉は賞賛ではなくストレートな嫌味のはず。

さらに言わせてもらえれば、本作の監督は照明さんなどの裏方スタッフの扱いが酷そう。そのくらい優しさを感じさせない映画でした。駄作。

でもオリジナル・ソングはだいたい素晴らしかった。主人公の妄想ライブは『バック・トゥ〜』というよりもメイヤー・ホーソーン風だったけど、モータウンビートの良い曲でちょっとノッてしまった自分が恥ずかしい。。