Mito

シング・ストリート 未来へのうたのMitoのレビュー・感想・評価

4.3
テンポが良くてハッピーで、うん!良い映画!
2時間くらいだと思うけど、その間ずっと楽しみながら観れた。

時代ズレか自分のアンテナの短さか、出てくる曲、名前聞き覚えがなくて、そこは少し残念。

無鉄砲で将来性のない考えをロックという言葉で包み込む、落ち着いて考えるとそれはどうなのと、現代日本人のツッコミが聞こえてしまいそうな端々の脚本。でもそれはこの世界線ではオッケーなの!!!と説得させられるだけの力のある映画でした。
最初はダサーと思っていたバンドのMVも段々と洗練されていきます。特に講堂で撮影するはずだったプロムのMV、幸せなのに切なくて、素晴らしいシーンでした。

カップルの瑞々しさもさることながら、やはりこの映画は兄弟の映画。
自分が末っ子なので厳密に兄の心情は理解できないですが、あのシーンはまるで自分が叱責されているようにピリッときました。我が家も親からの干渉が薄い家庭だったので、兄妹で親子関係とは異なるコミュニティが出来上がっている状況は「あー、あるある」って感じでした。親の機嫌が悪い時は引きこもって肩をすくめるしかないよなぁ。

自分の青春や家族関係と照らし合わせて考えてしまう映画は名作だと思います。夢物語のようなお話の中にそれだけのリアルを表現している素晴らしい作品。
Mito

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