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花弁のしずくのmasatのレビュー・感想・評価

花弁のしずく(1972年製作の映画)
1.6
田中登のデビュー作であるが、サディスティックなエロと外連味は、それほど発揮されていない。

淡白な中川、淫欲の塊の白川、そのコントラストと濡場は見所となっているが、それほど触発されない。

それでもこの頃のロマンポルノは、まるで一般映画のようなクオリティ。映画というメディアの質感を大切にしているのが解る。10年後、80年代に始まるAVとミュージックビデオとVシネマによって、映像文化、いや映画文化が蹂躙される。そして同時にスペックの向上がもたらす恩恵が並走し、高度化が重なり合い、いまの映画、21世紀の映像文化の“有様”へと、半世紀かけて変動していくのである。
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