ねこ無双

夜汽車の女のねこ無双のレビュー・感想・評価

夜汽車の女(1972年製作の映画)
4.0
エロスっす…。アバンギャルドっす…。
ラスト、ホラーテイストもあるっす
(でも、ホラーではないっす)。

『丑三つの村』の田中登監督作品。

あらすじは…
考古学者を父に持つ名家に生まれた姉妹はとても仲が良かった。
男性に奔放な妹は姉をより偏愛していて、父が決めた姉の婚約者が気に入らない。
姉を愛し過ぎるが故に姉の婚約者を誘惑する妹。

いろんなところにかくれんぼしながらお姉さん!お姉さん?って名前呼びするシュールな遊びを映画で観たの初めて。コントみたい。
何してても笑ってる二人の姉妹の姿がシュール。

ズーム笑っちゃうくらい多いなんてのもあるけど…ほんとに映像の撮り方も演出も新鮮なものとして目に映る。
妹が着てるドレスもレトロでめちゃくちゃ可愛いんです(姉は着物なので)。

格子窓から見える絡み合う肢体。
とにかく落下して割れる皿。
青光りした雷に照らされるシンク。
夜汽車に響く三味線の唄からのツィゴイネルワイゼン。
突然の静止画を着色したカット。
映像と音が焼き付く。

誰も邪魔する事の出来ない姉妹の愛が描かれ…、挟まれる男がいい思いをしているようで実は蚊帳の外。

ラスト、ホラーテイストへ急変。
悪い企みで嘲笑う声が背後に聞こえるような…とにかくもの凄い映画。


🐾🐾🐾

去年は日活ロマンポルノ50周年で、12月に東京でイベントが開かれてたそうです。(「私たちの好きなロマンポルノ」渋谷シネマヴェーラ)

10分に1回程度の濡れ場を入れること。
上映時間は70分程度。
この二つのルールを取り入れさえすれば自由に作品を撮れるので、そこから若手監督たちが羽ばたいていったそうですよ。
(神代辰巳や根岸吉太郎、池田敏春、金子修介、石井隆などなどその他にも沢山)