心温まるヒューマン・ドラマ。
本作は、幼くして母親を失ったジェシー・ネルソン監督自身の自伝的ドラマでもあるらしい。
当時、彼女を優しく、たくさんの愛情で包んでくれた黒人女性との思い出がベースとなっているとか。
本作で何よりも注目すべきは、やはりレイ・リオッタではないだろうか。毒気の全くないレイ・リオッタ。キレイ・リオッタと呼ばせていただこう。何せ、本作の2年前の彼の主演映画が『不法侵入』ときたもんだ。あの怪演とは打って変わって、本作ではとにかくいい人。自身も妻を失って傷心の身でありながら、娘に対して実に優しく接するパパを巧みに演じ切っている。
もちろん、ウーピー・ゴールドバーグも良かったし、娘役の女の子もかわいらしかった。
ジョーン・キューザックは、出番は少ないものの、強烈なインパクトを残してくれた。
そしてなんとリン・シェイがチョイ役で登場! 今ではホラー映画の常連おばあちゃんなだけに、こういった作品で見かけると新鮮。若干挙動不審で、既に何かに憑かれてる感があったけど(笑)。
人種差別問題も少々織り交ぜてはいるけど、全体的には温かな作品。クスッと笑えてほろっとさせる良作。
個人的に印象に残ったシーンは、モリーが黒人の女の子の友達と
「あなた チョコの味?」
「さあ あなたはバニラ?」
と言って、お互いのほっぺたをなめ合って笑い合うシーン。いや二人とも純粋でかわいいな! そうさ、友達になるのに肌の色なんて壁にならんよな。
因みに、ドン・アメチーの遺作。