サム・ライミの妻ジリアン・グリーンの初監督作。ちなみにサム・ライミは製作として参加している。母親と二人暮らしで無職の冴えない男クリントンが愛猫マウサーを殺害した犯人を探し出す様子をコミカルに描く。
小規模なスケールの犯人探しのストーリーがインディペンデントらしくていい。また職なし、運転免許なしでちょっとお間抜けという何とも冴えない主人公クリントンの設定も、くすりと笑えるものになっていていい。ただ作品全体の雰囲気が定まっていないのが残念。ブラックコメディに振り切る訳でもなく、犯人探しのサスペンスに重点を置いている訳でもなく…うぅ〜ん、惜しい。
俳優の演技はなかなかコミカルで、そこそこ笑えるものに仕上がっていた。J. K. シモンズとグレッグ・キニアが脇を固めていたのが大きかったと思う。もちろん主役のフラン・クランツもヒロインのグレタ役のニッキー・リードもなかなか良かったと思う。
ストーリーと音楽がいまひとつ。それらを除けば、そこそこ良かったと思う。観賞後「面白い」と思えるまであと一歩、といった作品。