聾のスタッフで作られたサイレント映画。これ、なかなか面白いのよ。
「それは、音楽なのか。」副題そのまま。聾の人には、音楽という概念はあるのか？という問いかけから始まる。音が聞こえない、だけど彼らは「心の中なら溢れ出す何か、それに同調して一緒に奏でる、そういうものはある」という。
それが果たして、音楽なのか？
五感のそろってる状態で普段生活してる私は、これは音楽ではなくダンスなのでは？と思ってしまった。
では、盲人は映画を楽しむことはできないんだろうか？体の不自由な人はダンスをダンスでしか表現できないのか？
いわゆる音、音楽というものを体で表現しているに過ぎなくて、それがみんなの言う音楽だろうと違うだろうと、彼らに影響はない。音楽かどうかなんて、言葉の定義でしかない。
映像も独特さながら、出演者の方々が、本当にダンスが上手なのです。体の動かし方から見ると、使い方がうまい。途中寝ちゃったけど、見返してみたらかなり良い。
音を耳で聞くという概念が覆される刺激的な作品でした。そして、そこから「言葉」というものの定義や条件、それにとらわれる人間という生き物、社会。全てが絡んで考えられます。
