フライ

ニードフル・シングスのフライのレビュー・感想・評価

ニードフル・シングス(1993年製作の映画)
3.8
悪魔に魅入られた街の人達が、物への執着とそれに伴う代償を払わされるストーリーは、スティーブン・キングらしいエグさと嫌らしさを感じさせてくれる作品。
街に突然越してきた骨董店の老紳士が、心から欲しいと思える物を渡す事により、人の心を操りおぞましい犯罪者に変貌させていく内容は若干の痛快さと、何とも言えない怖さと緊張感で、見応えのあるホラー作品。人間の裏側にある醜さを増幅させ、街の人達を犯罪へと突き動かす展開は、住人のキャラクターを上手く利用した醜悪な犯罪と、老紳士の正体不明な所が上手く合わさり恐怖と不気味さで目が離せなかった。間接的な憎しみの連鎖が、終盤町中に広がり戦場の様になるのは若干引くものがあるが、スティーブン・キングらしさも感じられとても楽しめた。
悪魔としか思えない正体不明の老紳士が最後までハッキリしないのが、とても好きだが、ラストのシュールな終わり方がとても好きな作品。
フライ

フライ