ハマジン

ヨーロッパ横断特急のハマジンのレビュー・感想・評価

ヨーロッパ横断特急(1966年製作の映画)
3.0
もうロブ=グリエの書いた小説に出てくる「男」のイメージが全部トランティニャンにしか見えなくなってしまい困る。刑事の仕組んだ緊縛ショーの広告に釣られてよせばいいのにホイホイやって来ちゃうくだりが最高にバカすぎて最高なんだけど、そこでのトランティニャンの「真顔」がまあ映えるのなんの。
コメディ調だけど、作品のメタ的構造は『迷路のなかで』が一番近いような気がする。
アントワープをとらえる生き生きとしたカメラが素晴らしく、撮影監督誰、と思ったらウィリー・クランだった。跳ね橋の影の黒味が画面を圧するようにせり上がってくるショットの量感が特によい。この翌年にスコリモフスキ『出発』を撮影してる、というのにもグッときてしまう。
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