中世のフランスを舞台とした戯曲を映画化したものである。
詩人のシラノは大きな鼻がコンプレックスで、ロクサーヌへ気持ちを打ち明けられずにいた。ロクサーヌは美青年クリスチャンに思いを寄せ、詩心のないクリスチャンに代わり、シラノはロクサーヌへの恋文を代筆する。
愛する人を思い戦場を駆け抜ける情熱、愛に生きる三人。ラストが切なく美しい。
ロクサーヌに愛の言葉を求められ、ただ「愛している」を繰り返すクリスチャンの姿が切なかった。
”わが人生に女の衣擦れが聞けた” 終盤のシラノの台詞の一つだ。
シラノは最後の14年間幸せだったのだと思う。「女の・・」という婉曲的な表現が憎い。
他の「シラノ」も観てみたい。