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人魚姫のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

人魚姫(2016年製作の映画)
4.2
美しい自然が残る香港郊外の海辺・青羅湾。若き実業家リウ(ダン・チャオ)は、この美しい自然保護区域を買収。リゾート開発のために海中に設置した超強力ソナーで海洋生物を湾から排除し、埋め立て許可を取り付ける。
そんななか、環境破壊のために行き場を失った“人魚族”は難破船に逃げこみ、絶滅の危機に瀕していた。
幸せな日々を取り戻すため、リーダーのタコ兄(ショウ・ルオ)の指揮のもと、一族は「リウ暗殺作戦」を決行。
可憐な人魚シャンシャン(リン・ユン)を人間に変装させ、リウへの急接近を試みるもあえなく失敗してしまう。
だがリウは、横暴な女性投資家ルオラン(キティ・チャン)へのあてつけにシャンシャンをデートに誘い、やがて純真なシャンシャンにリウは心癒され、急速に惹かれていくのだった。
カネだけが愛の対象だったはずのリウと、なぜか彼を殺す気になれないシャンシャン。
募る思いとは裏腹に、人魚族は欲に駆られた者たちによる激しい武力戦に巻き込まれていく……。
香港だけでなく世界の喜劇王となったチャウ・シンチーが有名なおとぎ話「人魚姫」を大胆なアレンジで映画化。
金のことしか頭にないリウが人魚姫シャンシャンに恋をし環境破壊の残酷さを知りシャンシャンたち人魚一族を守るための奮闘、最初は人魚の故郷を奪ったリウにハニートラップを仕掛けて暗殺するためにリウに近づいたのにリウの孤独さや善良な部分を知り人魚一族の故郷を取り戻す悲願とリウへの恋に引き裂かれながら恋を貫く人魚姫シャンシャンの純愛を、リウを暗殺しようとウニを投げつけたら防弾ガラスに跳ね返ってシャンシャンの顔に刺さったりなどチャウ・シンチーお得意のコミカルなシーンや人魚一族の長老の尾びれが起こす強大な波に化学者チームが吹っ飛ばされたりなどクライマックスでの人魚を捕獲しにきた化学者チームと人魚一族の荒唐無稽なバトルの数々やリウとシャンシャンがお気に入りの唄を一緒に唄ったりリウがシャンシャンを化学者チームから身体を張って守るなど種族を越えたリウとシャンシャンの純愛を絡めて描いた傑作ファンタジーコメディラブストーリー映画です。
ブルース・リーを崇拝するチャウ・シンチーだけにここぞという時に「ドラゴン怒りの鉄拳」のテーマが流れるなど小ネタやパロディも冴えているし、スーチーの全盛期のようなコミカルで明るくキュートな魅力を発散するリン・ユンのキュートさが印象的です。
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