日本人が好きそうなテイストだけど、ちゃんと安楽死を完遂するのはドイツっぽい。
安楽死の当事者だけでなく、彼らの世代にありがちな問題がちらほら展開されるのが面白い。
主人公設定が素晴らしい。:36歳の男性
これが老人だと「老人性のうつで一時的なものだ」で片付けられるし、
女性だったら「子どもが産めなくてもいいじゃない」に持っていかれたと思う。
そういった余計な情報なしに“健康に戻れないとわかっていて、死ぬまでの時間が短くなったひとりの成人”の苦悩を描いていたのがよかった。
「早く死にたい、ウェルカム安楽死!」ってわけじゃないぞと。
周囲の人間の愚鈍さや、家族系お涙ちょうだいに持っていく感じは日本っぽかった。
一番の理解者であるはずの妻が一番の敵で辛かったと思う。
登場人物にはイライラさせられるが、若い主人公を据えたことや他の問題の展開が面白かったこと、自然と人工物の対比などで分かり易いつくりの作品だったことでスコアは3。