改名した三島こねこ

笑ひのガスの改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

笑ひのガス(1914年製作の映画)
3.2
<概説>

歯科助手のチャップリンの腕前はそれはもうひどい。意味不明なガスを患者に処方するし、いざとなれば暴力沙汰とやりたい放題。そんな彼のとある一日の勤務風景を撮影したサイレントコメディ。

<感想>

Laughing Gas…Laughing Gas…?

妙に聞き覚えのある原題ですがそれもそのはず。

あのジョーカーの兵器そのままの名前なんですから。

たしか昨年の『JOKER』の監督インタビューでもチャップリンの名前が上がっていたはずですが、そんな現代との関連で見てみれば実に納得。

一般に喜劇王とされてるチャップリンですけれど、この映画の内部の彼の素行は喜劇王というより犯罪者そのもの。

殴る。蹴る。問題のガスはあからさまにヤバイ。

チャップリン≒ジョーカーと直結させる訳にはいきませんけれど、彼の原型はきちんとあの名悪役の中にある。

なんだか映画史という潮流の偉大さをしみじみ感じる作品でした。いえ本来笑うべきなんですけれど。しみじみしてしまうと笑いと縁遠くなってしまいます。

いっそ院長をいきなり銃撃してくれたら笑ったかも?