デッカード

スイス・アーミー・マンのデッカードのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
2.5
エブエブ、アカデミー賞受賞記念で鑑賞。
FFさんの紹介で。

無人島に漂着したハンクの前に現れた死体。ハンクと死体のサバイバルが始まる。

下ネタが次々に出てくるし、そもそも死体を連れ回して友情を深める設定自体が破茶滅茶でどんな感情で観ていいのかわからなくなる。
不思議映像体験をしたという感覚を持つしかない。

死体のメニーの多機能振りは万能でそれを利用し連れ回して生き延びるハンクの姿は当初タブーに触れているようでヒヤヒヤする。

ハンクと死体のメニーとのやり取りは放屁から始まりいたって下品なのだが、きれいごとではない人間、とりわけ男性の生理現象に触れていて人間が生きていくための生命論のようにも聞こえなくもない。

もしや夢オチかと思わせるほどめちゃくちゃな展開なのだが、なにはともあれ現実世界の出来事として描かれていて、それはそれでとにかく不可思議。

好き嫌いがハッキリするクセの強すぎる独特の鑑賞後感。
この感覚が何なのか、悩んで唸るしかない。

この映画の延長線上にあるであろう『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を、アカデミー賞7部門受賞したとはいえ観に行くべきか余計に迷わせる怪作です。
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