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スイス・アーミー・マンのhasseのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
3.3
演出4
演技4
脚本3
撮影3
音楽4
技術3
好み2
インスピレーション3

一見するとワンアイディアのキテレツ映画だが、よく見ると、陰キャの青年が、自分が体験できなかった恋愛と、愛する者のもとへの帰還というIFストーリーを偶然出会った腐乱寸前の死体に担わせる、束の間の喜びと皮肉な喪失が描かれていて深い。そこに、青年と死体の想いもよらぬ友情も乗っかってくるので見ごたえはある。

だが、個人的なピークはなんといってもダニエル・ラドクリフが海上スキージェットしたシーンであり、あのヒャッハー感をずっと期待していたので、肩透かしを食らった。オナラジェットで海を横断するというコロコロコミックみたいな実写映画が見たかったのよ。
絵面が汚いのと、中盤変化に乏しいのと、二人の会話劇が面白味に欠けるのも好きになりきれない要因かな。

だが、ハリー・ポッター役で全世界を夢中にさせたラドクリフが、死体役で海上スキージェットしてるという面白さだけで見る価値は大いにある。

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