ダイナ

スイス・アーミー・マンのダイナのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
4.1
設定がぶっ飛んでいる映画。あらすじを簡単に説明すると、無人島で自殺をしようとした男:ハンクが波打ち際に漂う死体:メニーを発見し、その死体と友情を築いてあらゆる困難を乗り越える。嘘に聞こえるかもしれないが本当なんです!

タイトルはスイスアーミーナイフをなぞらえたとのこと。十徳ナイフと言い換えるとピンとくる人が多いかもしれません。小さい頃あのナイフ用途だけにとどまらない多機能性に惹かれた人は多いんじゃないでしょうか。その多機能性部分を上述した死体が見事に表現します。具体的にいくつか挙げると「死体」が、「水筒」や「武器」や「火起こし器」になります。何をどうしたらそうなるのか?と気になる人は是非本作を観ましょう。映画内、それらの機能性は「ふとした出来事」から連鎖して発覚します。サバイバルにおける発想の転換が見れる所は、本作の魅力の一つとしてオススメです。

良い意味でこの映画は狂ってます。最初タイトルが出てくるシーンなんかは迫力ある画に圧倒されつつも、それまでの過程と原動力を考えると「なんじゃそれ!」と突っ込まずにはいられません。

本作は下品な要素(下ネタ寄り)が多々あるので複数人と鑑賞する時は注意が必要です。が、しかしこの映画に出てくる下品な要素が窮地を救い物語を進め、また最後には「ある行為」が序盤と違った印象を受けるようにまでなります。

設定だけの出オチだけではなく、そのぶっ飛んだ設定という基盤だからこそ、ぶっ飛んだ展開が生まれていきます。中盤スピード感が落ちたのは個人的に感じていて、人によってはラストは賛否両論が起こるかもしれませんが、自分は割と感動できました。(ギャグ映画だと思ってたのに意外にも)

人を選ぶ映画だと思いますが個人的にはかなり当たりの部類だと思ってるので、是非是非たくさんの人に鑑賞してもらって、各々で結末について判断してほしいです。ダメ押しでもうちょっと宣伝すると死体のメニー役は、ハリーポッターで主人公ハリーを演じたダニエル・ラドクリフが演じています。ハリーポッターシリーズが好きな人は、無人島で十徳ナイフばりに活躍する死体役を演じる顔がハリーであることの異様さは目に焼き付けるべきですよ!
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