このレビューはネタバレを含みます
おならにて始まり屁にて終わる。
感慨深い?作品でした。
無人島から始まる物語はまさかの相棒と出会い友人の島に思わぬ手段でたどり着くわけですが、なんとなくキャスト・アウェイのトム・ハンクスのような精神状態から見る幻想だったような気がします。
とはいえ、遭難したのではなく自身が現実から逃げる転移行動からきたもので、私としては無人島というのも白昼夢であり実際には行かず、単に裏山に忍んでいただけのような、そんな気がします。
現実逃避でかつ極限状態までいった状態で記憶の置き換えが起こり、無人島から奇跡の脱出を図った…様に見えて実際は裏山で白昼夢を見ていただけのような。
途中、胡蝶の夢のようなくだりがあり、死体が見せているものなのか自分が見ているものなのかよくわからなくなるシーンが有りました。
これは見る人によって意見が変わりそうですね。
白昼夢状態で死体を背負って街まで歩いたのか(怪我をしているのにもかかわらず)それとも白昼夢ではなく奇跡が起きたのか。
でも、最後は皆が目撃するんですよね。
好奇の目であったり、リアリストからする蔑みの目であったり、主人公の満足げな笑みであったりと。
これはこの映画に限らず屁に対する人の意見の縮図な気がします。
ただただ嫌がるのが普通、面白がったり煽ったりするマイノリティも中に入る。
屁だのオナニーだの盗撮して妄想だのがきっと主人公をおかしくさせた抑圧の原因なのかなって感じがします。
ともあれ、コメディ映画というだけあって、道中のそこかしこ無茶苦茶で笑える演出が散りばめられているのは必見です。
主人公はどこかで見たことがあるなぁと思ったら、リトル・ミス・サンシャインのカマっぽいお兄さん役だったんですね。
女装役がハマるハマる。
そしてダニエル・ラドクリフもまさかの死体役。
終始屁をこいているだけかとヒヤヒヤしながら見てたら、そこまでではなく安心しました。