みてべいびー

パターソンのみてべいびーのネタバレレビュー・内容・結末

パターソン(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

“Poetry in translation is like taking a shower with a raincoat on.”
“Sometimes an empty page presents the most possibilities.”
“Or would you rather be a fish?”
セリフ少ないからこそ好きな言葉が響く。パターソンみたいな人に出会いたいし、何よりパターソンみたいな人になりたいと思った。周りの歓びも哀しみも共感も違和感も全てありのまま静かに受け止めて、それをただひたすら創作の糧にする人。周囲の人々や環境を愛し、変えようしない心のゆとりがある人。
この結婚生活羨ましいような気もするけど、パターソンとじゃなきゃ成立しないだろうな。奥さんを愛するが故に我慢してることもたくさんあるんだろうなぁ、そんな姿が愛しい。そして彼とマーヴィンの関係性にジワり。マーヴィンが芸達者すぎる。大事なノートの末路は予想通りだけど、この映画は先が読めるか否かとかの話じゃないんだよね。こうゆうゆったりとした一見代わり映えのしない毎日も、いつもと違うことが起きることでその大切さにふと気付かされたりする。コロナ禍になって初めて普通の生活が送れるっていいなぁ、すごいことなんだなぁ、って思えたのと似てるかもしれない。
バスのフロントガラスに映る変わりゆく景色が美しかった。あと永瀬正敏がいい役で勝手に嬉しくなった。
でも何と言ってもマッチと煙草の詩が一番好き。この作品の美しさに共鳴できる人と寄り添い合って観れたら幸せだろうな。私も古い白黒映画のレイトショー観に行くデートしたい。
みてべいびー

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