フランくん

パターソンのフランくんのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
3.6
ゆったり系というのかな?
バスの運転手を生業にする主人公の日常がただひたすら淡々と映し出される。
朝6時頃に目覚め妻にキスをし、好きなマッチ箱を眺めながら朝食をとる。
いつも持ち歩いてる道具箱のようなランチボックスが変にお洒落。
始業前にライフワークの詩をしたため、同僚の愚痴を聞いたら運行開始。
乗客の他愛のない会話に耳を傾け、終業後は真っ直ぐ帰宅。
傾いた郵便受けを立て直し、妻との夕食。
夜は飼い犬との散歩がてら、行きつけのバーで一杯ひっかけ家路につく。
そしてまた6時頃に目覚め…。
大きな事件は起こらない。
というか、多少何か起きたとしてもなんかフワッとした感じで落ち着く。
そんな調子が120分続くもんだから、見る人によっては死ぬほどつまらない作品になるのでそこは注意が必要かも。
かくいう自分もこの手の作品は苦手なほうだけど、バスの運転手という設定が主人公の人生観とリンクしているのが妙に心地良くて退屈はしなかったし、なんなら結構好き。
決まった日常を穏やかに過ごす主人公と、部屋を模様替えしたり、カップケーキを販売したり、シンガーを目指したり…日常に変化を求め活発に動く妻との対比が面白い。
中盤に「お前だったのか」っていうクッソどうでもいいネタバラシがあったりちょいちょいクスッとするシーンがある中、「俺 もう俳優なんだ」のシーンに関しては、間のとり方と役者陣の表情が完璧すぎてここ最近見た映画で一番笑ったかも。
あとこの作品何が一番良かったかってロケーションがとにかく素晴らしい。