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パターソンのtwitwilightsのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.5
まるで映画のような出来事、などという表現を、時々ニュースで拝見するにしても、わたしたちが日々を暮らしていく中で、そう大きな出来事は起こらない。しかし、生活に小さな不安や、仕事上のトラブルは不可避であり、穏やかな日常を描いているはずの本作にも、要所要所、そんな微細な不安や、対人面においての不穏な場面が挿入される。その絶妙な調味が素晴らしい。ナヴィゲイトするのはアダム・ドライバーの“顔芸”(最高)。主演者たちのありふれた一週間が、微妙に異なるカットの連続性により、壮大ななにかに変異していくメカニクス。ジャームッシュの真骨頂。「詩」という捉えようによってはファンタジカルなはずのフォームに、やがて日々が、世界が、ゆっくりと合流していく。A-ha。「PERFECT DAYS」を撮ったヴェンダースは本作を観ていたのだろうか?劇中とても印象的だった、アメリカはダイヤモンド社の『OHIO BLUE MATCH』が、劇場公開時、前売り券のプレゼント(ノヴェルティ)として配布されている。個人的にはとても大事な1作。
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