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パターソンのayukaのレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
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パターソンが日常の中にみつける宝物を、丁寧にゆっくりとすくって紡ぐ詩が、とても美しかった。双子、ビール、妻、雨、女の子、お客の会話。日常にある幸せを、目を凝らして発見して、大切に観察してしてみよう、という気分になった。

ジム・ジャームッシュの映画は、やっぱり特に何にもそれといった出来事がおこらない。けど彼の映画が面白いのは、彼自身が人間観察をして、そのなかにおもしろさ、宝物を見つけているからなんだろう。そしてパターソンも、周りの人から宝物をすくって取れる、ジム・ジャームッシュに似た人なんだと思う。この現代の都会に住んでると、人間って煩わしいな、なんでみんな自分勝手なんだよって度々思うんだけど、その人たちのなかに物語を見つけられるように、人間を愛せるようになりたいものだ。

詩の美しさって、初めて分かったかもしれない。プラム食べちゃったとかさ、すごい良いなあれ。あと私が好きなのは、「引き裂かれた心を戻したくない」やつ。

懐かしい汽笛の音や、ビリヤード台や、パターソンが歩くのを横から追うカメラワークなんかが「ミステリートレイン」を彷彿とさせた。

あと、アナーキーな2人に超興奮した、、!!気づいた人いるのかなあって思ってましたけど私はすんげえ興奮しちゃって席から身を乗り出してました。パターソンという街で唯一アナーキーな2人だぜ。変わってないね!(笑)
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