李

パターソンの李のレビュー・感想・評価

パターソン(2016年製作の映画)
4.2
パターソンの1週間。妻にキスをしてから目覚め、バスを運転し、犬を散歩、バーに行く。いつもと変わらない平凡な彼の1日1日が愛しくなる2時間。この、"バスの運転手"っていう設定良いですよね。洋画のことだから商社マンとか華やかな職業が来るかと思いきや(ちょっと偏見)。勤務前には詩を綴り、勤務中は乗客の会話に耳を傾ける。この絶妙な日常感が心地良すぎて。その変わり映えしない日常の中でも、小さな詩人と出会ったり、痴情のもつれに巻き込まれたり。それが起きたからといって決して世界の歯車はずれたりしないし、〇日〇曜日にこんなことが起きたなんて何年もしたら忘れてしまうかもしれないけれど、この映画を観てると、この些細な日々の出来事ってとてつもなく素敵なものなんだなって感じる。毎日小さな悲しみと小さな幸せと小さな発見の積み重ね。ローラとの愛が溢れる掛け合いも本当に素敵すぎて、、🧁が売れたお祝い映画館のシーン大好き。私も食べたい🧁

この何の変哲もないけれど美しい日常の描き方も静かで繊細で。日常なのに非日常に感じる。登場人物も限られているし、音楽も多くは流れない。だからこそ、パターソンとローラの会話や彼が紡ぐ詩の世界(言葉の選び方とか語彙のリズム感が素敵だけど、文自体の意味は正直よく分からなかった)から1秒足りとも目を離したくなくなるし、少しでも多く同じ空気を感じていたいと思う。曜日が表示され、毎日ベッドのカットから始まる構成もおしゃん。あと個人的に、ローラのセンスが好きだったな。ファッションもそうだし、あの纏ってるザ・アート系の雰囲気も。

ブルーバレンタイン観て結婚したくないなって思ったけど、これ観たら結婚したくなった、、映画の力は凄いなぁ😌 こんな夫婦素敵すぎる。てかアダム・ドライバー横にいたら毎日安眠できそう(?) 安心感凄まじそうじゃない?
李