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ハウス・バウンドのblackkazoomaのレビュー・感想・評価

ハウス・バウンド(2014年製作の映画)
3.9
ニュージーランドの緊急通報は「111」


◇あらすじ
ATM強盗で捕まった不良娘・カイリーは、保護観察処分となり、実家で8か月間の自宅謹慎をすることに。
足には逃亡防止の装置が付けられ、折り合いの悪い母親と無口な義父と3人の居心地の悪い生活が始まる。
しかし彼女の実家は、過去に殺人事件があった幽霊屋敷だった……!


『アフターサン』と同様、2回続けて観てしまった。
それというのも、本作は「ゴリゴリのホラーコメディ」にもかかわらず、初鑑賞時にホラー作品における「シリアス度合」を高めに設定して観続けてしまったのだ。消化不良なまま観終えたことに納得できず再鑑賞。
2回目は各キャラクターの「ボケまくり」、「緊張と緩和の連射」に笑いまくり、ツッコミまくりでU-NEXTポイント分きっちり楽しませてもらいました。

監督・脚本は『M3GAN』のジェラルド・ジョンストン(ニュージーランド)。本作が長編映画デビュー作ですが、二転三転どころか四転五転する目まぐるしいまでのストーリー展開、どの登場人物にも愛嬌があり魅力的にみえてくるキャラクター造形、なによりドリフのコントを彷彿とさせる笑いのセンス(クライマックスでの畳みかけが凄かった!)は見事。

もっともっとこの人が撮った作品を観たいと思うのでした~

※クリームさん、教えていただきありがとうございました。めちゃ楽しめましたよ!



◆ネタバレな雑記↓











・ユージーンの存在が明らかになった時点で「あっコレ『壁の中に誰かがいる』だ!」と、ウェス・クレイヴン監督作品を思い出しました。ちょっとコミカルな作品のトーンや設定がそっくりなので絶対意識してるなと。
・最初は「なんかいけ好かない奴ばかり出てくるな」と思わせておいて、最終的に「みんな大好き!」となって「ほっこりラスト」で終わるってジェームズ・ワンやないかい!なるほどワンに見いだされるわけだ。
・「ユージーンの描いた絵」のくだりが良かったぁ。最初に笑わせておいてカイリーの生い立ちを表し、最後にジーンとさせる。スマートでテクニカルな表現が素晴らしい。
・ATMでの相棒の自爆、母ちゃん追突しても平気、オシッコ途切れ気味、ボイスレコーダー何も返事せーへんのかい、直接口に突っ込んだ、テレビのリモコンかい、尿瓶かい、包丁渡すんかい、指でチョンチョン・・・次に観る時は何回ツッコミ所があるのかカウントしながら観よう。

◇覚書
・B&Bは「Bed & Breakfast」の略。文字通り宿泊と朝食をセットにした簡素なタイプの宿で、日本でいう民宿的な雰囲気。
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