このレビューはネタバレを含みます
黒澤映画30作目にして遺作、ここまでくるのは長かった…。
人情ものから冒険活劇、ミステリーからアート映画まで多種多様な映画を作ってきた監督が最後に描いたのはなんの起伏もない「日常(と呼べるのか分からないが)」というのが感慨深い。
先生と生徒の戦前から戦後までの交流を淡々と、でも暖かく描かれていた。
少々出来過ぎでは…?と思うほどの有終の美。
先生が生徒の孫たちに言った言葉も遺作ということを考えると胸にくる。
死後十数年経ってもなお、自分のような若造を魅了している事を考えると黒澤明はまだ映画の世界では死んでいないのだろう。「まあだだよ」という黒澤明の声が聞こえてくる気がする。
全30作を観てきたが完璧な幕引き、全てが一本の映画だったかのようでした。
ちなみに30作の中での自分的ベスト5は
第一位 生きものの記録
同率一位 羅生門
第二位 悪い奴ほどよく眠る
第三位 デルスウザーラ
第四位 夢
でした!
ただランキングできないくらい素晴らしい出来の映画多数、観てよかった。