Yukiko

DARK STAR/H・R・ギーガーの世界のYukikoのレビュー・感想・評価

4.0
2022年3月9日
『DARK STAR/H・R・ギーガーの世界』 2014年スイス制作
監督、ベリンダ・サリン。

ハンス・リューディ・ギーガーのドキュメンタリー映画。

1940年、スイスのクールで生まれる。
1962年にチューリヒに移り住む。
チューリヒ芸術大学で室内デザインと工業デザインを学ぶ。
卒業後は家具デザイナーとして働いたが、間もなくアート
として描くようになる。
映画『エイリアン』の造形デザインで知られ有名になる。
また『スピーシーズ 種の起源』や
『バットマン フォーエヴァー』『ポルターガイスト2』
の登場者のデザインを担当。
また、エマーソン・レイク・アンド・パーマーのアルバム
「恐怖の頭脳改革」の表紙の原画を担当した。
2013年に階段から転落。
2014年5月病院で死去。74歳。


このドキュメンタリー映画は亡くなる少し前に撮ったもの。
74歳にしては、痛々しいくらい老いが進んでいるように
感じた。

作品は造形美という言葉がぴったりくる。
モノトーンでメタリック。機械を連想させる。

女性の正面からの美しい顔立ち。
真横からの整ったきれいな顔立ち。
それらの美が機械的なものと調和し、造形美が作り上げ
られる・・・ような作品だ。

自宅はスイスのチューリヒ。
3軒となり合った家(1番地、3番地、5番地)があり、
奥様のマリアは1番地に住んでいるとのこと。
(この映画のホームページからの情報)

スイスのグリュイエールにはギーガーがデザインしたバー
があるらしい。
映画の中でもそのバーで飲んでいる場面がある。
まるで、エイリアンのお腹の中にいるような、機械を
連想する壁や天井。椅子もメタリックだ。

家の中で自分がデザインした列車を走らせ、それに乗って
喜々としている様子が映る。
好きな事、一筋で生きて、それが認められて生活ができ、
その後も自由に自分の世界に生きることができたなんて、
実に幸せなお人だ。
Yukiko

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