Donatello

皆殺しの流儀のDonatelloのレビュー・感想・評価

皆殺しの流儀(2014年製作の映画)
3.2
北野監督の『龍三と七人の子分たち』がコメディでなくシリアス路線だったなら、多分きっとこのくらいにはなったんじゃないかっていう、ダンディな爺さま達がそこそこ暴れる映画です。
この「そこそこ」っていうのが残念でならないのですが。

若年層のギャングがのさばる街で、暴行されてた少女を助けようとしたがために、返討ちで殺された爺様元ギャング。そんな兄の訃報を知って、優雅に暮らしていたスペインを旅立ち、ロンドンに舞い戻った爺様弟。
そして葬式に集まる昔の仲間たち。
もうね雰囲気は完全に期待出来る感じなんですけどね。

爺様連中ですからして、真っ向勝負は避けてジワジワ行くんですけど、爺様だからか割と全体的にチンタラしてましてね。
バイオレンス描写もねソフトなんですよね。
拷問ひとつとっても『ホステル』とまでは言わなくても『アウトレイジ』ぐらいは超えて欲しかったかな。
なんなら若造全員セイウチにしてくれても良かったんだけど(無駄に『Mr.タスク』推し)。

ただ、物凄く盛り上がるわけでもないけれど、『龍三〜』よりは好きです。個人的に。

とにかく主人公のオヤジがいちいちカッコ良くてですね、イアン・オギルビーさんてよく知りませんけど。イケてるオヤジ度は雑誌「LEON」の表紙で使ってほしいレベル。
その他の爺様達も名前言われたってわからないけど、何かしらの映画で見たことある人ばかりで、並んでる時の只のオッサンらじゃない感はイカしてます。

多分続編ないだろうとは思うんですけど、「昔みたいにまた暴れるか」みたいなラストのシーンで、次の相手(予定)が凄く面白そうだったんで、若造は3分の1くらいの時間で叩きのめして、それメインでいけよ!って凄く思ったくらいには面白かったですええ。
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