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街をぶっ飛ばせのrのレビュー・感想・評価

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)
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「私、あなた、彼、彼女」を観た時、自分を肯定してくれているような感覚になったが、この映画もそうだった。 何かをしているのに別のことが気になり出し、気がついたら全て中途半端で頭の中も現実もぐちゃぐちゃになっている。靴の墨を足に塗り出したとき、私も感じたことのあるあの感覚かもしれないと心進んだ。目につくものに夢中になって、ひとりでいると止まれない。我にかえって自分もろとも全部まとめて消し去りたいと思ったことはもう数えきれないほどあるけれど、なんとか立て直し続けて今がある。アケルマンはほんとうに全部まとめて消し去ってしまった。この映画にある死は、突然起こるものではなく手を洗ったらタオルで拭くように行動の続きにあるのではないかと思う。 18歳の時この映画を撮ったのだと後から知り、どれほどの孤独や怒りを微細に捉えていたのだろうと考えると血の気が引く。自分のせいだとわかっていて、引き返すタイミングにも気が付いていながら通り過ぎ、その状況の全てがどうでもよくなる感覚って振り返れば本当に危険だし、死が隣にある。とても大切な映画になった。
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