KANA

街をぶっ飛ばせのKANAのレビュー・感想・評価

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)
3.8

18歳のアケルマンが初めて監督、主演を務めた処女作。

なんてパンクな!

手狭なキッチンでの支離滅裂な行動。
気味悪いヤケクソ調子のハミング。(どうもフレーム外からの被せ)
おもむろにパスタを作り、食べる。その食べ方の汚いこと。
調理器具をばら撒き、洗剤を床に撒き散らし、黒い靴墨を靴どころか脚にまでつけ磨き、マヨネーズを浴びるw
楽しいのか苛立ってるのか、ないまぜになってるのか??
ふと鏡の自分と目が合う。
シュールな虚無感…

彼女の作品をまだそんなに観てるわけではないけど、知る限りその後のフィルモグラフィーの原型みたいな気がする。
どうだと言わんばかりに映画の既成の枠や価値観をぶち壊し、見向きもされない世界の片隅で起こる喜劇、狂気、転覆、悲劇を冷めた視点で圧縮描写していて。

なるほどとなるラストの展開はゴダールの『気狂いピエロ』の影響をもろ感じられた。

時間がなくて短篇をチョイスしたのに面白くて2回観てしまった笑
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