2016/7/26
「パリ、テキサス」「ブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ」のヴィム・ヴェンダース総指揮作品。
伝説のタンゴダンスペア、マリアとファンのドキュメンタリー。二人のインタビューと再現映像とダンスで、二人の人生を追う作品。
マリアは、ファンの踊りも彼の人生も求めたが、ファンは、彼女の踊りしか共有できなかった。
それでも二人は愛と憎しみを繰り返しながら、14歳と17歳から50年間、お互いを唯一無二の存在であることを認め踊り続けた。
けれども1997年、ファンの妻の要求で本当にペアを突然解消してしまう。
その後の二人の踊りがとても対照的に感じた。
解消を切り出したファンのほうが、何か人生の目的を失ったような表情だった。実娘と舞台には立つが、どこか踊りにキレがない。
一方解消を切り出されたマリアは、人生で一番悲しかったと告白し、一時は踊りから離れるがその後復帰。80を過ぎても「私はタンゴ」と晴れやかに艶やかに自信満々の踊りが美しかった。
ダンスシーンも素晴らしいが、ヴィム・ヴェンダースなので、音楽が主役と言ってもいい映画。
観劇後はストーリというより、タンゴのリズムの印象が強く残った。