片腕ファルコン

園子温という生きものの片腕ファルコンのレビュー・感想・評価

園子温という生きもの(2016年製作の映画)
3.3
まず驚いたのはこの作品を撮った大島新って監督、大島渚の息子なのね!言われてみれば似てる…!
普段は「情熱大陸」や「ザ・ノンフィクション」などTV用のドキュメンタリーを撮ってる人らしい。園子温は一度「情熱大陸」で撮った事があるもののTV向けの人じゃないと思ったらしく映画を撮る事を決意したとのこと。。

つまり、この2人、別に昔からの付き合いがあるワケではないのですよ!!人見知りで心を開かない園子温だけあって…過剰なパフォーマンスしてるのが見て取れました。。ある種、カメラの前で演じてるとうか。。
それに加えてTVで培ったのであろう変なスタイリッシュなテロップ、音楽、編集で余計に胡散臭い作りに…!!

なので、見所として園子温そのものではありませんでした。
【見どころ①】まず、周りで支える奥さんの神楽坂恵や二階堂ふみちゃんや染谷くんのインタビューが面白かったかも。。特に神楽坂恵がインタビュー中に結婚前後の頃のエピソードを話しながら泣き出すという。。あの涙は何なんでしょう、2人の間によっぽどの事があったんでしょうかね。。

【見どころ②】そして園子温恒例の福島ロケ。『ヒミズ』の時は震災直後の頃でガレキの山とかを映画のダシに使いやがって…と怒りを覚えましたが、被災地に対して並々ならぬ思いを感じ取る事ができました。地元の人との交流エピソードは見もの。
その一部始終を逃した大島新監督に「オレばっか撮ってないでそういう所をちゃんとカメラで収めないさよ」と説教する園子温監督、カッコ良かったです。

【見どころ③】最大の見所は…園子温の(解体直前の)実家にお邪魔する所!!そこで発見された園子温のルーツとも言うべきアイテムのオンパレード!!園子温は幼き頃から天才、早すぎた天才で時代が追いついてこなかったのでしょう。。
そんな中で中学生から付けてる[映画鑑賞ノート]が無償に泣けました!70年代で一人フィルマークスですよ!!一人で作品賞とかを発表してたりして、今僕らがやってる事と何ら変わってないのですよ…!ステキ過ぎる。

というワケで実家のシーンがなかったら…かなり厳しい内容でありましたが、、園子温って事もあってオマケでこの点数にしておきます。。

※無理して見る作品ではありませんね。。