緑雨

ジュリエッタの緑雨のレビュー・感想・評価

ジュリエッタ(2016年製作の映画)
3.8
ふとした表情や眼差しのずれで、途端に人の間に不穏さや官能が生じる。このあたりの演出力にはさすがアルモドバルと感心させられる。

人だけでなく、木製の人形や列車と並走する鹿も、マドリッドのアパートメントも寝台列車も海を望む邸宅も、すべてが独特の映画世界を形作る。

全編に漂う息苦しさ。そこに冷徹な厳しさを相乗する家政婦ロッシ・デ・パルマ、静かながら深い愛で包むダリオ・グランディネッティの表情が印象深い。
緑雨

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