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イエスタデイのMTMYのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2014年製作の映画)
5.0
'67年オスロ。ビートルズ好きの高校生少年4人組が繰り広げ、駆け巡る抜群の北欧青春物語!
ビートルズに詳しい詳しくない関係なく十分に楽しめた。
新しいレコードに針を落とすシーンは、思わずこっちもワクワクする。

ストーリー構成は、主人公キムが期末か何かのレポート試験でエッセイ的なものを書きながら、その過去を回想してゆく感じ。

最初はこう。
なんとなーく映画を見てたら隣に知らない女子が座ってきて、ある場面で「きゃッ」と言って突然自分の手を掴んでくる。帰り際にバス停で話しかけたら彼女に「目つぶって…」と言われ…
なーんて空想みたいな出来事からキムの夏は走り出す。
そしてバンド結成という<4人の夏>。

夢や希望、恋に挫折、秘密と友情がビートルズの曲に合わせて描かれてゆく。
ときにユーモラスで笑っちゃう。でもたまにビターな彼らの物語。

「これだから女はワカラナイ」
と思わず男性陣が手を上げて降参するような女子セシリアもなかなか可愛くて、良いキャラ。まぁそれに負けじと主人公キムも可愛く、全体的に皆キャラが確立していて良い印象だった。

キムの視点で回想される途中途中で、何度か現在のテスト中シーンに戻ったりするんだけど、その語られる過去の話の場面によって、キムの斜め前の席で受験しているセシリアを見つめる眼差しの意味や雰囲気が変わるのが個人的には結構面白かった。

あと、彼らにお決まりの「負けた奴が他人の車のエンブレムを盗むゲーム」と決別することを<子供時代との決別>と言っていたシーンも忘れられない。

「ビートルズはいつか解散するんだ。僕たちもこのバンドが永遠だとは思わない。でも、それでいいんだ。」

わりと驚くほど爽やかなテイストだが、これでいい。4人で自転車を走らせてゆく姿に、思わず乾杯したくなるような作品だった!
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