ay

アナイアレイション -全滅領域-のayのレビュー・感想・評価

2.5
得体の知れないエリアXに人びとが破滅的に引き寄せられその世界に飲みこまれようとも踏みとどまれずにいるのは、人間の細胞そのものにあらかじめセットされた自己破壊の機能が呼ばれてるところがあるからで、単純に悲劇ともいいがたい展開。人間の理性を前提に認識できない別の体系を前に、人間の心境はアニミズム的な素朴な畏怖に近づいていく。

エリアXのビジュアルが「もののけ姫」などジブリの世界観そのものに感じたのだけれど、やはり監督のアレックス・ガーランドは個人としてジブリに敬意を抱いてるようだった。前作「エクス・マキナ」は新鮮なSFとしてみた記憶があって、でも本作はアレックス・ガーランドのエキセントリックさが際立ってると感じた。途中、奇妙に力のこもったグロテスクな描写があって不意打ちをくらった。ぞっとするような質的に異なった恐怖を使って、みる人の想像力を跳躍させるフックにしたかったのかもだけど。全体にCGみがきつかった。大スクリーンで理屈抜きに映像に浸ったら、また印象は違ったかも。
ay

ay