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アナイアレイション -全滅領域-のoimoのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

隕石の落下地点から拡大する謎の領域"The shimmer"
生きて帰還した者は一人しか居ない。それも帰還後謎の不調により瀕死状態に。
再度調査に送られたのはそれぞれに問題を抱えた女達…。


コッテコテのSFホラー。それも大好物のコズミックホラー。予算をたっぷりつぎ込んで丁寧に、且つ監督は私が密かにこいつ実はAIなんじゃないの(褒めてる)と思っている血も涙もない(褒めてる)アレックス・ガーランド氏。
面白くならない方がおかしい。
はい。めちゃくちゃ面白かったです。
低評価の理由が分からない。


謎の隕石が作る謎の領域シマーがあらゆるものを遺伝子レベルで変異させ、領域内に居る生き物を模倣して新たな生物を作り出して行く。

前日自分が何をしていたのか分からない。
推定4日間の記憶に空白がある。
指紋が蠢き、腹の中で内臓がうねりだす。
知らぬ間に自分が作り替えられて行く…

絶望的な恐怖。

そこへ更に襲い来るかつて野生動物だったであろう異形の生き物達。
見た目のおぞましさを遥かに上回ってくる捕食能力と攻撃性。

色んな種類の怖さを次々と味わえる贅沢さだけでも大満足なのに、終盤に待ち受ける衝撃の事実にもとどめを刺された〜〜〜。
ナタリー・ポートマンが"それ"と対峙するシーンは状況を説明するような台詞すらほぼ無いんだけど、観ながらも観た後も考察が止まらない。更にその考察の行き着く先が恐ろし過ぎる…!説明的な表現を一切省いてフィニッシュを決めるお洒落さに打ちひしがれながら眺めるエンドロールの美しさ…。
散りばめられたいくつかの謎は最後に全部回収されます。夫婦間に漂う謎が少しずつ解けて行くドラマパートも無駄無くずっしり面白かった。


こんな映画作れたら私だったら一生ドヤ顔してしまいそう(笑)
アレックス・ガーランド監督の作品は映画作品としては正直そんなに好きじゃないんだけど、人間の描き方動かし方に何かサイコパス的なものを感じて、ぬくもりも皮肉も感じられない無機質さに妙に惹かれてしまう。『MEN 同じ顔の男たち』とか気持ち悪過ぎて大嫌いなんですけどね(笑)この作品だけは最初から最後までとにかく面白かった。
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