このレビューはネタバレを含みます
洋楽に詳しくない人でも聴いたことはあるであろう名曲を惜しげもなく使い、なおかつ歌声も素晴らしいので、音楽面は満足。綺麗に動くキャラたちの映像もすごい。
ステージに出るキャラも、ベタと言ってはなんだが外さないキャラ付けになっている。犯罪から足を洗いたい、平凡な人生を輝かせたい、引っ込み思案な自分を変えたい‥そんなキャラたちが歌とダンスと演奏で輝こうとするのは王道で、上手に各キャラにスポットライトを当てれていた。
自分にとって難ありだったのが、主役?というかステージの管理人のコアラだった。ヘラヘラして楽して金稼ぎをしたいだけのように見えて、このコアラの行動に説得力を感じられなかった。なぜステージを成功させたいのか、そのためにどんな手を打つのかという、バックボーンがとても薄く感じた。一応、劇場は父から受け継いだものだという説明はあるのだけど、特にそれが生かされることもなく。
で、困ったことに、他のキャラを挫折から立ち上がらせるのがこのコアラなのである。
観ている側としては、そもそもコアラが全く信頼できないため、なんで立ち上がれたのか共感できない。物語の根幹に関わる部分の説得力が皆無なのが非常にもったいなかった。