経営が傾き閉館寸前の劇場を救うために企画された歌のオーディション…のはずがあれやこれやとトラブルと誤解を巻き起こし、大パニックとなっていく!
ポップス、バラード、ジャズにサックスにピアノにギターにダンスにと、聴いているだけで楽しくなるような楽曲を、表情豊かな可愛らしい動物たちが披露していく。
脳みそを働かせずにそんなコラボレーションに浸っても楽しめるけれど、映画のテーマも実は結構深い。
劇場のオーナーもオーディション参加者も、みんなあれこれと思い悩みながらステージに向かう。
鬱屈した思いを抱えている者、親に認めてもらえない者、認めてもらっているけど自信のない者。
そんな彼らが挑戦を繰り返す。
準備不足で失敗もする。でもそれでいい。人生を変えるには何かを選択して行動するしかないんだから。そうやってもがく彼らが次第に愛おしくなってくるんだ。
唯一悩みを抱えていないグンターも、ただのギャグキャラかと思いきや結構いい事言ってるんだよこれが。
勝った負けたも大事だけれど、表現者としての彼らが最後に選んだ晴れ舞台も心憎い演出だ。予定調和かもしれないけれど、それで良いんだ。
気持ちよく映画を、音楽を楽しむのにうってつけな作品です。