半兵衛

白い娼婦 花芯のたかまりの半兵衛のレビュー・感想・評価

白い娼婦 花芯のたかまり(1974年製作の映画)
3.8
最初はクリーニング屋に住み込みで働く青年が主人公が性に悶々とする映画と思ったが、いつしか売春婦(山科ゆり)と車椅子の兄(大江徹)の近親相姦すれすれのゲームに侵食されていき、主人公や彼に惚れているクリーニング屋の娘は兄妹におもちゃにされてしまう。

自分をもてあそぶような態度をとった山科ゆりに怒った青年が彼女を犯すとき、車椅子の兄は何もせず後ろから見ているのだが、彼の視線を感じた山科ゆりが兄の顔を見ながら一層悶えるときインモラルな性的興奮を観客に感じさせてくれる。そしてそのあと兄の持っていたダッチワイフの後ろから山科ゆりが出てくるシーンの見てはいけないものを見たような感覚。

小沼勝特有の色彩映像も冴えていて、山科ゆりが常に着ている白のスーツや服が、山科の白い肌を一層際立たせる。そして彼女を犯すメタファーとして用いられる服についた自転車の跡の黒や、兄が着ている黒服。こういうのは他のロマンポルノの監督にはない才能だよなあ。

ちなみに小沼勝と芹明香というレアな組み合わせが見られるが、芹明香の出番はほんの二、三分なので期待しない方がいいかも。
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