くまちゃん

ファッティとキートンのおかしな肉屋/デブ君の女装のくまちゃんのレビュー・感想・評価

3.7
チャーリー・チャップリン、そしてロスコー・アーバックル。喜劇スター2人を生み出したマック・セネットの慧眼には敬服するばかりだ。
さらに、アーバックルが見出した後の天才バスター・キートンも今作に出演している。

喜劇の血脈は受け継がれているのだ。

アーバックルは映画史においてもかなり早い段階でパイ投げを取り入れている。
日本のバラエティ番組で一昔前に流行ったアレだ。肉屋の騒動でもテクニカルなパイ投げを見ることができる。

当時新人のバスター・キートンは決して短くない出演時間でそこそこなアクロバットをミスなくやり遂げた。これも舞台芸人である両親の遺伝なのか、才能なのか、おそらく両方であろう。
後にキートンの代名詞となるストーンフェイスはまだ見られず、表情豊なキートンを堪能できる。

後半はストーリーが変わり、女学校の寄宿舎を舞台に、アーバックルが女装して潜入する。
アーバックルの巨漢に反比例する機敏な動きはサモ・ハン・キンポーを彷彿とさせる。アーバックル、キートン、スリムの騒動はサモ・ハン、ジャッキー、ユン・ピョウを見てるようで胸が熱くなる。
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